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この目的は、船がコミッショニングテストの順番待時間を節約するもので、機器の技術革新により手順が簡単になったことを受けたもの(インマルサット)との説明に対し、現在の機器に対しては単なる手続きのようなもので不要(米)との意見が出される一方、今までの経験上、コミッショニングテストの最中でも誤動作を起こすことがあり、重要(デンマーク)、回線設定の不具合の責任を端末利用者に押しつけるもの(リベリア)との意見もだされた。最後に議長より各国べースでコミッショニングテストの責任をインマルサットから主管庁に移すことを検討すべきとの集約があった。
(ロ) 料金滞納者に対する通信サービスの提供中止
緊急・安全通信は主管庁の関心事項ではあっても実際に料金を払う船主にはインセンティブが働かないこと、Safety NETは滞納如何に関わらず受信は常に可能(インマルサット)との説明があり、遭難通信を切らない範囲でならサービスの提供中止も止むを得ない(露)との意見もあったが、安全通信が大きな受ける懸念があり反対(ICFTU、支持家、ICS、パナマ)、インマルサットAではこのような措置でも影響が無かった模様だが、使用の拡大に連れて問題が起こることを懸念(ICS)、商業主義に走りすぎている(デンマーク同意見ギリシャ、加)など、通信サービスの提供中止に対し強い抵抗が示された。
また、通信サービスを中止する代わりに、料金を滞納している船はPSCで出港できないようにすればよい(ICFTU、支持英、加)という意見やサービス提供を中止する前に、主管庁に連絡して主管庁側から支払いを促すようにしてはどうか(独)といった意見も出された。
(ハ) サービスプロバイダ(SP)制の導入
SPは陸上移動が主な対象だが、ヨットや沿岸航海のみの非条約船にも容易に利用できるようにするもの(インマルサット)との説明に対し、国内法上の問題もありこれには反対(露、同意見デンマーク)、遭難通信さえ確保されるのなら、商業上の判断にIMOはコミットすべきでない(ギリシャ)などの意見が出されたが、緊急通信等に制約が出る可能性から、議長より、インマルサット機器を調達する非条約船はSPより緊急通信等を期待しているに違いなく、誤解を招かないために船舶に対してはSPがサービスを提供できないようにすることを提案したいと集約した。
(参考)
料金未払い局に対する通信停止の措置について、インマルサットは、遭難通信については通信の停止は行なっていないが、それ以外の緊急安全通信等に関しては通信を停止している。
? COSPAS−SARSAT関連
COSPAS−SARSAT寄書(COMSAR1/20/2)が紹介されたが、特段の意見はなかった。
(21) 国際信号書(議題21関連)
本件については提出文書もなく特段の審議は行われなかった。COMSAR2においても提出文書がなければ、本件を小委員会のワークプログラムから削除することとした。
(22) 総会決議A.703(17)の見直し(議題22関連)
米寄与文書(COMSAR1/22)に対して、非義務船に搭載されているGMDSS機器を操作する者にも、義務船の従事者と同じ訓練を課している(ノルウェー、同意見独、蘭)との意見が出され、議長より、基本的に各国に任せればよいことで決議までは必要なく寄与文書を基にMSCサーキュラー案を作成すること、作業完了予定を一年延ばすことをMSCに提案する旨集約された。そこでドラフティンググループによりMSCサーキュラー案が作成されたが、審議時間の制約から、次回COMSAR2Wで再度検討した後MSCに提出されることとなった。

 

 

 

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